焼き菓子コンクールへの道

皆さん、こんにちは

粉屋の安孫子です。

 

ハルユタカの苗植え大作戦に悪戦苦闘し、惜しくも挫折を味わった私たちでしたが、そこで終わらないのがハルユタカの魅力です。それは新たな人々との絆。ただ単においしいパンが焼けるだけではなく、そこに携わる人々を、いつのまにか引き合わせ、結び、絆を生む力があるということでした。業種を超えて知恵や技術を持ち寄り、新しいことにチャレンジする楽しさ。ハルユタカは、私たちにそんな未来さえも与えてくれたのです。

 

さぁ、次は何をしよう!

 

おいしいパンが焼けるなら、お菓子はどうだろう? ちょうどそんなことを考えているときに、南端の九州でサツマイモを使った焼き菓子コンクールが行われていました。それはまさに私たちの狙いにマッチした企画です。「これを参考に、道産小麦でお菓子を作ってもらってはどうだろう?」。さまざまなアイデアにアンテナを立てていた四銃士の一人、佐久間良博が言い出しました。ハルユタカよりもタンパク質が少なく、菓子作りに向いているチホク。同じく北海道産のビートを用いて、プロに焼き菓子を作ってもらうのです。

 

これからは地元の時代。社の方向性もそれと定め、ハルユタカに限らず地場のものに力を注ごうとしていた矢先のことです。こういった、地域性のある食材を活かすイベントは、私たちの目的の一つにもなるでしょう。「うん、それはおもしろい!」。 生産者、農協、農業試験場、大学、食科研(北海道立総合研究機構 食品加工研究センター)、パン屋さん、お菓子屋さん、消費者協会や洋菓子協会の皆さん。その考えに賛同するメンバーが、次々と自然発生的に増え、気づけば開催に向けてプロジェクトが動いていました。

お菓子の国です、北海道!

「焼き菓子祭」

全国焼き菓子コンペ 98’

 

これは地域にとって、江別にとって、そして業界においても今までなかったこと。全国にあまり知られていない地域が、同じくあまり知られていない道産小麦で、大々的にコンクールを開くのです。私たちの町から、北の食材への認識が一気に広まれば、こんなに嬉しいことはありません。募集は、菓子専門の雑誌へ広告を載せ、各地のお菓子屋さんやパティシエへコンクールへの参加を募りました。そして、参加表明のあったところへはチホクとビートを送り、その材料で独自の菓子を提供してもらうことにしたのです。

 

これまで私たちは、家庭の主婦の皆さんにハルユタカや道産小麦を使ってもらう試みを続けてきましたが、今回は違います。すべて、その道のプロ。吟味した材料やレシピを決して変えない職人に、道産小麦の可能性を委ねるわけですから、どんな結果が待ち受けているのか、私たちの胸は期待に膨らみました。