食品の安全を守りたい

皆さん、こんにちは

粉屋の安孫子です。

 

前回、国産小麦でパンを焼く、という消費者のニーズが増え、多くの主婦の声が寄せられたことをお話しました。今回は、そのもう一つの理由をお話しましょう。当時、パンが焼ける国産小麦として、関西の一部と東北の南部小麦がわずかに知られていました。そこに北海道で誕生した「ハルユタカ」が彗星の如く現れたのです。しかも自宅でパンを焼くマニアックな人々にとっては、買いやすい量、買いやすい値段、そして買いやすい方法。これが主婦の間で広まっていきました。また、生協の生活クラブや小規模な消費者団体が、このハルユタカを歓迎してくれたのです。

 

その理由に挙げられるのが輸入作物へのポストハーベスト農薬でした。遠く海外から届く農作物には、品質を保持するため、収穫後に殺菌剤や防かび剤がかけられています。日本では収穫後に作物へ農薬を使うことを禁じていますが、アメリカをはじめとする諸外国においては、倉庫での保管時や移送前に使用していたのです。

また、大型スーパーの林立、大量生産した商品の品質保持、賞味・消費期限の確保、遠隔地への移送、品質の均一化。近所の小さな商店街で買い物をしていた時代は終わり、人々の求めに応じて、全国どこへ行っても同じ商品が並ぶようになったのです。こういった数々の条件が重なるにつれ、加工食品への添加物も増えていきました。これらのことに注目し、少数派の人々の間から食品添加物を問題視する風潮が起きていたのです。「自分たちの健康と食生活を守りたい」。その新しい考えがハルユタカを求め、支持する追い風となりました。

 

平成に入り、ますますその傾向が強くなるにつれ、のんびりとしていられない気持ちになりました。なにしろ期待もしていなかったハルユタカの人気に火がついたのです。私たちは、ただ小麦を仕入れているだけでは飽きたらず、とうとう畑へ飛び出し、農家の皆さんへハルユタカの良さを伝え歩くようになったのです。